第83章

帰り道は、来るときとは比べものにならないほど歩きやすかった。往路では周囲に魔獣が潜んでいないか気を張る必要があったが、復路はひたすら急げばいい。この森はもう冒険者たちに踏み固められ、獲物も雀の涙ほどしかいない。腕試しには向かない場所だ。

とはいえ、渓流を離れてからの区間だけは別だった。魔法フライボードが使えなくなり、二人の少女は降りて歩くしかない。結局また、じわじわと体力を削られる。

森を抜けた頃には、カリーナは「想い人が隣にいるから」なんて体裁を気にする余裕など欠片も残っていなかった。いっそその場に倒れて眠りたい、という顔をしている。

馬車を守っていた御者が彼女たちの姿を見つけ、慌て...

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